本記事では、ヘアオイルの種類や特徴、効果、使い方を解説しています。髪質別におすすめのヘアオイルも合わせて紹介しているので参考にしてみてください。

監修者プロフィール
河合 航輝
保有資格:コスメコンシェルジュ / 日本化粧品検定1級 / 色彩検定2級
愛知県出身。名古屋工業大学 大学院工学研究科博士課程修了。 ホーユー株式会社の製品開発研究室で化粧品の処方開発に従事し、BeauteenシリーズやBeautylaboシリーズを担当。特許を2件出願した。 コスメコンシェルジュ・日本化粧品検定1級の資格を取得し、2020年の退社後は、化粧品の知識を活かしたマーケティング業務に従事。 プライベートでも美容領域へのアンテナを張り、情報収集に努める。
目次
■ヘアオイルの種類
■ヘアオイルを使用することで得られる効果
■ヘアオイルとヘアミルクの違い
■ヘアオイルの使用量の目安はどれくらい?
■ヘアオイルの使い方【朝編】
■ヘアオイルの使い方【夜編】
■ヘアオイルのNGな使い方
■ヘアオイルの選び方
■おすすめのヘアオイルトリートメント
・エリップス ヘアビタミントリートメント
■その他のおすすめヘアオイル
・いち髪 和草ダメージリペアオイルセラム(旧)
・フィーノ プレミアムタッチ 浸透美容液ヘアオイル
・ナプラ(napla)N. シアオイル
・ルフト(LUFT)ケア&デザインオイル
・モンシャルーテ アプリーナ オーガニック ヘアオイル
・ミルボン ディーセス エルジューダMO
・モロッカンオイル トリートメント
■おすすめのスタイリングオイル
・サイン システミックオイル
・NiNE マルチスタイリングオイル ライト
・ナプラ N. ポリッシュオイル
■さいごに
ヘアオイルは、ヘアスタイリングやヘアケアに使える万能なアイテムです。しかし、「使い方がイマイチわからない」という方も多いのではないでしょうか?
ヘアオイルを上手に活用するとヘアダメージのケアができたり、ツヤ感やウェット感のある髪へとアレンジできます。
毎日のヘアケアやヘアアレンジにヘアオイルを使ってみたい方、ヘアオイルの使い方を知りたい方は、是非本記事を参考にしてみてください。
ヘアオイルの種類
ヘアオイルは「植物性」「動物性」「鉱物性」の3つの種類があります。種類によって配合されている成分や用途が異なり、テクスチャーも様々です。下記では、種類別の特徴をチェックしてみましょう。
植物性ヘアオイル
植物性ヘアオイルは、天然の植物から作られたヘアオイルのことです。天然の成分から生成されているため、ベタ付きがなく、サラッとした付け心地が特徴的です。保湿力に優れており、髪を内側から保湿するため、ケミカルダメージを受けた髪に最適です。
【植物性オイルの種類】
- 椿油
- オリーブオイル
- ホホバオイル
- アルガンオイル
- ボタニカルオイル
動物性ヘアオイル
動物性ヘアオイルは、動物から抽出したオイルです。植物性ヘアオイルと比較すると若干重めなため、ベタ付きやすい傾向にあります。
しかし、保湿力・浸透力に優れており、乾燥でパサ付いた髪をまとまりやすくしてくれます。また、動物から抽出したオイルのため、人の肌と相性が良いのも特徴とされています。
【動物性オイルの種類】
- 馬油
- スクワラン
- エミュー
鉱物性ヘアオイル
鉱物性ヘアオイルは、石油を原料としたオイルです。「使用感」をアップさせるために、さまざまな成分が加えられて生成されているのが特徴です。
使用感重視のため、髪の内側には浸透しないというデメリットがあります。しかし、紫外線や乾燥などの外的刺激から髪を守り、手触りを滑らかにする効果を期待できます。ヘアケアよりもスタイリング剤としての使用が最適です。
【鉱物性ヘアオイルの種類】
- ワセリン
- ベビーオイル
- ミネラルオイル
ヘアオイルを使用することで得られる効果
ヘアオイルを使用することで得られる4つの効果を見てみましょう。
ダメージから髪を守る
ヘアオイルは、髪の表面をオイルでコーティングし、紫外線や乾燥、熱から髪を守るという特徴があります。
特に毎日使うドライヤーは、熱による刺激で髪がダメージを受けやすい傾向にあります。ドライヤーの熱によるヘアダメージを軽減したいときは、タオルドライ後に数滴のヘアオイルを髪に馴染ませドライヤーを使用しましょう。
夏場はエアコンによる乾燥や紫外線から髪を守り、冬場はマフラーやセーターによる静電気を予防してくれます。ヘアオイルは、季節問わずに活躍してくれるアイテムです。
髪に潤いを与える
ヘアケア成分が含まれるヘアオイルの場合は、髪の水分と油分を補い、潤いとツヤを与える効果があります。
ブラッシングによる摩擦や冷房・暖房を使用する季節もヘアオイルを使用することで乾燥を予防し、みずみずしく美しい髪へと整えることができます。
ヘアダメージを抑えながらヘアセットができる
ヘアセットやブラッシング時の髪への負担は大きいものです。特に、ブラッシングはブラシと髪の間で摩擦が起き、切れ毛や枝毛の原因になることも少なくありません。
ブラッシング前にヘアオイルを使うことで、髪とブラシの間で摩擦が起きにくくなり、髪へのダメージも格段に軽減できます。
また、ヘアアイロンやコテを使用する場合も同様に、ヘアオイルを髪に馴染ませることで髪への負担を減らす効果があります。
さらに、ヘアオイルは髪全体のボリュームを抑え、濡れ髪ヘアをつくるなどのスタイリング剤としても活用ができます。
上手く活用して、自分好みのヘアアレンジをしてみてはいかがでしょうか。
ヘアオイルの香りで気分アップ
ヘアオイルは油分が多く含まれているため、香りの持続性に優れた商品が豊富にあります。
甘い香り、柑橘系の香り、フローラルな香りなど好みの香りのヘアオイルを使用することで気分を高めることができます。
逆に香りが気になる方は、無香料のヘアオイルがおすすめです。シチュエーションに合わせてヘアオイルを使い分けてみてはいかがでしょうか。
ヘアオイルとヘアミルクの違い
ヘアオイルと使い方が似ているアイテムのひとつに「ヘアミルク」が挙げられます。しかし、このふたつは見た目も働き方も異なる部分があります。
こちらの項目では、ヘアオイルとヘアミルクの違いを解説しています。「どちらを使えば良いか分からない…」と迷っている方は参考にしてみてください。
ヘアオイルとヘアミルクの違い
ヘアオイル | ヘアミルク | |
---|---|---|
見た目 | 透明もしくは色がついている | 白色 |
メリット | ・髪を保湿 ・髪に馴染みやすい ・熱や紫外線などの外的刺激から保護する |
・髪を保湿し長時間キープする ・パサ付きや広がりに効果を得られる ・髪内部に作用する |
使い心地 | ベタ付きがある | サラッとしている |
ウェット感 | ◎ | × |
ヘアオイルの特徴
ヘアオイルはトロっとした質感が特徴とされています。
保護力と保湿力に優れているため、ヘアアイロン・コテ・ドライヤーなどの熱から髪を守り、潤いを与えて乾燥を防いでくれます。
また、ウェット感のあるヘアセットやツヤ出しなど、ヘアアレンジをする際も重宝されるアイテムです。
【ヘアオイルが向いている人】
- 髪の乾燥が気になる方
- 髪全体にまとまりがなく、広がりやすい方
- 髪が太くて硬い方
- ヘアアイロンやコテを頻繁に使用する方
ヘアミルクの特徴
ヘアミルクは、水、乳糖、エタノールなどの成分から出来ています。透明が特徴的なヘアオイルに対して、ヘアミルクは白色です。
髪のパサ付きや広がりを含めた枝毛の修復に作用します。髪内部に働きかけるため、全体を柔らかく、しなやかに整えてくれます。
【ヘアミルクが向いている人】
- 髪のパサ付きが気になる方
- 枝毛が多い方
- ヘアオイルのベタ付きが気になる方
ヘアオイルの使用量の目安はどれくらい?
ヘアオイルを使用する場合は、使用量に注意しましょう。
使用量を守らずにヘアオイルを塗ると、髪や頭皮がベタベタになってしまいます。見た目もペターッとした仕上がりになり、髪にボリューム感が感じられなくなります。
ヘアオイルを使用する場合は、パッケージに記載されている量、もしくは下記の使用量を参考に使いましょう。
髪の長さ別の使用量
髪の長さ | ヘアオイルの量 |
---|---|
ボブ | 1~2滴 |
ショート | 1~2滴 |
セミロング | 2~3滴 |
ロング | 3~4滴 |
参照元:ヘアオイルの正しい使い方&付け方《朝・夜》効果的に使ってうるツヤ髪を作ろう!
ヘアオイルの使い方【朝編】
朝にヘアオイルを使用することで髪への負担やストレスを軽減しながら「ウルツヤ髪」を1日キープできます。こちらの項目では、ヘアオイルの使い方【朝編】を紹介しています。
ブラッシング前の使い方
朝のブラッシングは髪の毛が絡まりやすく、摩擦も起きやすい傾向にあります。ブラッシングによる摩擦は、切れ毛や枝毛の原因となり髪が傷んでしまいます。
また、朝は髪が乾燥しているため静電気が起きやすい傾向にあります。静電気による髪への影響として、キューティクルがぼろぼろになることが挙げられます。キューティクルを乱さないためにも、ヘアオイルを塗って静電気を予防しましょう。
ヘアオイルをブラッシング前に使用する手順は以下の通りです。
- ヘアオイルを適量手に取ります
- 髪を毛先から揉み込むようにヘアオイルを馴染ませます
- ブラッシングで髪を整えます
ヘアセット前の使い方
ヘアアイロンを毎日使用している方も多いのではないでしょうか?ヘアアイロンで髪を巻いたり、ストレートにするときは摩擦が起きてしまうため、髪がダメージを受けやすくなります。
ヘアアイロンによる摩擦から髪を守るためには、ヘアアイロンを使用する前に髪の長さに合った量のヘアオイルを髪に塗りましょう。さらに、ヘアアイロンの使用後も髪が熱で乾燥しているため、保湿のためにヘアオイルを付けるのがおすすめです。
ただし、ヘアアイロン前に付けるヘアオイルはシリコンフリーのものを使用することがポイントです。
シリコン入りのヘアオイルをヘアアイロン前に付けるとキューティクルがぼろぼろになり、ダメージの原因になる恐れがあります。
ウェットヘアの作り方
ウェットヘアとはスタイリング剤を使用し、髪が濡れているように仕上げたスタイルのことです。
ウェットヘアを作るときも「ヘアオイル」が最適です。ヘアオイルは髪に馴染みやすく、初心者の方でも簡単にウェットヘアを作ることができます。
- ヘアオイルを手に馴染ませる
- 毛先から髪の内側と外側に指を通し、全体的にオイルを馴染ませる
- 毛先を掌で優しく擦り、束感を出す
- 全体のバランスを調整し、手に残ったヘアオイルで前髪を整える
ヘアオイルの使い方【夜編】
夜はシャンプーの摩擦やドライヤーの熱ダメージで、知らず知らずのうちに髪を傷めてしまうことも少なくありません。夜もヘアオイルを上手に活用して、ヘアケアを行いましょう。
シャンプー前の使い方
毎日行うシャンプーも、実は髪への摩擦となる可能性があります。特にゴシゴシ洗いすぎると髪への負担となるため、爪を立てずに優しく洗うように注意する必要があります。
シャンプー前、毛先を中心にヘアオイルを馴染ませることで、シャンプー時に髪が絡まりにくくなります。
ドライヤー前の使い方
髪が長い方は、ついドライヤーを当てる時間も長くなりがちです。毎日の熱ダメージが蓄積されると髪が傷んでしまうこともあるため、きちんとケアを行う必要があります。
ドライヤー前にヘアオイルを塗布するというひと手間で髪を乾かした後も指通りがなめらかになるため、ドライヤーの熱ダメージが気になる方は是非チャレンジしてみてください。
- シャンプー後にヘアオイルを使用する場合は、髪全体をタオルドライし水気を拭き取る
- ヘアオイルを適量手に取り、手にオイルを広げる
- 毛先から内側に包み込むようにしてオイルを塗布する
- 手に残ったオイルは髪の表面に塗布する
- ドライヤーで髪を乾かし、ブラッシングで髪を整える
オイルパックとしての使い方
ヘアオイルは、ヘアパックとして使用することもできます。髪のダメージが気になる方は、以下の手順を試してみてください。
- 乾いた髪をブラッシングし大さじ1程のオイルを馴染ませる
- 髪にオイルを馴染ませたら、頭皮にオイルを馴染ませてマッサージをする
- 蒸しタオルを頭に巻き10~15分程放置する
- シャンプーを2回してオイルを洗い流す
ヘアオイルのNGな使い方
ヘアオイルは上手に活用することで、ドライヤーの熱や乾燥などのダメージから守ることができます。
しかし、間違った使用方法をしていると効果が激減してしまうため、以下の点に注意して使用しましょう。
髪の根元に使用するのはNG
ヘアオイルは、頭皮に付くと毛穴を塞いでしまい、頭皮の環境を悪くしてしまう可能性があります。
さらに、髪の根元に使用することで髪の毛がベタついている印象を与えてしまいます。ヘアオイルを使用する際は、根元を避けて使いましょう。
適量を守らずに使用するのはNG
ヘアオイルには、髪の長さに合った適量があります。できるだけ多く髪に付けた方が高い効果を得られると思うかもしれません。
しかし、付け過ぎはベタついた仕上がりの原因になります。キレイな仕上がりを目指す場合は、適切な量を守って使用しましょう。髪の長さに合った適切な量はこちらの項目を参考にしてみてください。
> ヘアオイルの使用量の目安はどれくらい?
無造作に付けるのはNG
ヘアオイルは、ベタッと無造作に付けてしまう方もいることでしょう。特に忙しい朝は、ヘアケアが雑になりがちです。
ヘアオイルを使用する場合は、前後にブラッシングを行いましょう。ひと手間を加えることで、髪全体にまんべんなくオイルを浸透させることができます。
古いヘアオイルを使用するのはNG
古くなったヘアオイルを使用するのは控えましょう。ヘアオイルは一度開封し、長い間使わないと酸化を起こす可能性があります。
酸化したヘアオイルを使用すると、髪から嫌な臭いがしたり、適量を守ってもベタついた仕上がりになります。開封後は、6ヵ月~1年を目安に使い切りましょう。
ヘアオイルの選び方
ヘアオイルを使うにあたって、髪のダメージを軽減する商品を探すのは大切なことです。しかし、テクスチャーや実用性から自分自身に最適なヘアオイルを使うことも重要です。そこで、こちらの項目ではヘアオイルの選び方をポイントで解説していきます。
用途から選ぶ
ヘアオイルは、補修効果のある「ヘアケアタイプ」とヘアアレンジに使う「スタイリングタイプ」の2種類があります。
パッケージに「洗い流さないトリートメント」と記載があればヘアケアオイル、「スタイリング剤」と記載があればスタイリングオイルに分類されます。
ヘアケアオイル:乾燥や熱などの外的刺激から髪を守り、内部に働きかける効果が期待できる
スタイリングオイル:ウェット感やツヤ出しなどのヘアアレンジに使用するヘアオイル、重めな質感で、髪をまとめる際にもおすすめ
目的別に最適なヘアオイルを選びましょう。
髪質から選ぶ
自分自身の髪質と相性抜群のヘアオイルを選ぶためには、まずは髪質を把握し、その上でヘアオイルを選ぶのもおすすめです。
〈重めのテクスチャーと相性の良い髪質〉
全体的に毛量が多く、髪の一本一本が太くクセが強いという髪質の方には、とろみのある重めのヘアオイルがおすすめです。重めのヘアオイルは髪全体のボリュームを抑えてくれるので、程よくまとまりのある髪へと整えることができます。
〈軽めのテクスチャーと相性の良い髪質〉
毛量が控えめで、一本一本が細く柔らかい髪質の方には軽めのヘアオイルが最適です。サラッとしたテクスチャーのヘアオイルを使用することで、自然な雰囲気で仕上げることができます。
成分から選ぶ
ヘアオイルを選ぶ際に、商品のパッケージに記載されている「成分」から選ぶのもポイントのひとつです。下記では各成分の特徴をまとめました。
成分 | 特徴 |
---|---|
アルガンオイル(植物性) | ベタ付きがなく、浸透性に優れている |
ホホバオイル(植物性) | 保湿力があり潤いを与える |
椿油(植物性) | 乾燥などの刺激から髪を保護する |
オリーブオイル(植物性) | 髪に栄養を与え、ツヤ髪へと整える |
バオバブオイル(植物性) | 抗酸化作用に優れ、パサ付きを抑える |
馬油(動物性) | 人間の皮脂成分に似ており、敏感肌の方でも使用しやすい |
スクワラン(動物性) | ベタ付きがなく、皮膚に触れても刺激が少ない |
ジメチコン(動物性) | ダメージを保護し、指通りをなめらかにする |
ベビーオイル(鉱物性) | ウェットヘアを作れる |
ワセリン | 保湿力に優れており、パサ付きを抑える |
最近では、ウェット感のあるスタイリングがトレンドにもなり、毎日のヘアケアだけではなく、スタイリング剤としてヘアオイルを使っている方も増えてきています。ヘアオイルの種類も年々増えてきていて、ボディケアやフェイシャルケアなど全身に使えるマルチオイルまで様々です。シャンプーやトリートメントに比べると数滴程度の少量使用になるため、まずは好みのものを小さめのサイズで買ってみることがおすすめです。